起業家、投資家、アーティストとして活躍される中山紗彩さん。2019年にはカルティエ本社の主催するCartier Woman Initiative Awardで日本人初の世界起業家21人に選出されファイナリスト受賞。現在はSaaya incのFounder-CEOとして活躍。一方で植物性の食事のみを取るvegan・ヴィーガンとしての発信も注目を集めています。
今回のインタビューの中で紗彩さんにとってどうぶつは愛護の対象ではなく、私たちと"フェア"な関係性であると話してくれました。紗彩さんとの会話は普段私たちが忘れがちな、ピュアな気持ちを思い起こさせてくれます。
■プロフィール
01 / 直感を信じ抜く
ヴィーガンについて日々、熱量の高い発信をされている紗彩さん。その背景を教えてください。
今から10年ほど前、ある日突然「どうして動物を可愛がっているのに食べているんだろう」と、ふと思うと瞬間がありました。その時はネットリテラシーも高くなかったのでベジタリアンやヴィーガンという概念も知らなかったんです。当時はただその自分の”自己矛盾の中で生きていたくない”という直感に従って、ベジタリアンになるという選択をしました。ちなみにその時から最近まではヴィーガンの人と出会ったことはなかったんです。
2019年に
ヴィーガンカフェのプロジェクトに携わたことがきっかけで、ヴィーガンの仲間と人生ではじめて出会いました。その時に初めて色々と自分の中での違和感が消え、整合性がとれた感覚になったんです。改めて自分の生き方を見つめた時に、お肉だけでなく、乳製品、卵、はちみつ、魚も自分にとっては矛盾を抱えた食べ物だと感じ、私は基本的には植物性の食事のみを取るヴィーガンとしての生き方をしようと思いました。
ヴィーガンには環境問題や動物を尊重する思想も含まれていますよね。
人間の健康、動物の権利、環境問題の3つのキーワードのアクションのになりうる生き方がヴィーガンであると教えていただいたり、そこについて学ぶ機会がそのプロジェクトを通じてありました。
それから私も生まれてはじめて、環境問題に興味を持ち始めました。海外では環境問題をきっかけにヴィーガンになる人も多くいると耳にしています。環境問題に関しても知れば知るほど日常生活に対しての違和感を覚えるようになったので、これはヴィーガンとはまた別のアクションですが、私は毎日エコボトルやマイストローを持ち歩いたり、プラスチックバックやボトル、ストロー、紙などをもらわないよう意識しています。その他には、サスティナブル素材のものを買う、リサイクル品でつくられたものを買うようにする、環境への負荷を減らすための活動をしているブランドに注目して投資するようにしたりしています。
世界のリーダーやリーディングカンパニーの動きを見ていると、これからは環境問題に対しての責務を果たしていくことが当たり前の世の中になっていくなと感じ、ますます自分が消費者としても、リーダーとしても関心とアクションを起こしていくべきだなと思って生きています。
02 / 日常に香りを散りばめる
普段の生活に香りを取り入れていますか?
飲み物のチャイが大好きで、毎朝起きてから必ずアーモンドミルクや豆乳をお鍋に入れてチャイを作っています。味もですがシナモンやカルダモンのスパイスの香りが特に好きです。起き抜けの体にスイッチを入れるためにチャイの香りに包まれるのが日課になっています。
好きな香りや精油はありますか?
香りではラベンダーが好きです。お風呂入るときも入浴剤やバスソルトを入れます。お気に入りは「クナイプ」や「shigeta」。クナイプは5~6種類家に置いているので気分に合わせて使い分けており、特に「ホップ&バレリアン」の香りがお気に入りです。
日常のリラックススポットをいろいろなところに設けているタイプなので、ボディーソープ、ハンドクリーム、ボディークリーム、ハーブティー、ミストなど香りアイテムに囲まれて暮らしています。人工的な香りが苦手なので、自然由来の精油を使ったものを使っていると思います。
03 / フェアな関係
紗彩さんにとって大切な人(存在)は?
家族や友だちはもちろん大切な存在。それと同じくらいピュアで白くて、やさしい動物や子どもたちも大事な存在です。ちなみにその延長線上で、守るというニュアンスが含まれる「(動物)愛護」という言葉は自分の中ではしっくりと来なくて。あくまでも生き物全体とは”フェア”でいたい。フラットな関係性の仲間、友だちでいたいんです。
アニミズム的な思想もあるので、ものとか、ぬいぐるみにも気持ちがこもっていくものと思っています。言葉を話さなくても、人に寄り添ってくれる存在だと思っています。
常に新しい夢を私たちに見させてくれる紗彩さんが次に目指すものとは?
起業家、投資家だけで生きていると、どうしても定量的かつ即時的な成果が重視されがち。でもアーティストという要素を自分の人生に入れると、自分の好きなことを自分が満足するようにやり抜ければいいし、定性的かつ中長期的な優しさや愛といったものが物差しになり、一気に自分の人生の可能性がひらけるなと最近感じています。ある意味ヴィーガン、サスティナブルに対してスティックして生きる生き方は自分の中にとってアーティストの要素なのかもしれません。
これからしばらくのテーマは、「Vegan(ヴィーガン)・Sustainable(サスティナブル)・Wellness(ウェルネス)」3つのキーワード領域を、「起業家、投資家、アーティスト」3つの役割を掛け合わせて、生きていくことをしていきたいと思っています。